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第3期石川の教育振興基本計画(2021~2025年度)の要旨

「第3期石川の教育振興基本計画(2021~2025年度)」は、石川県新長期構想の教育分野を担う個別計画であり、地方教育行政の組織及び運営に関する法律に基づく「大綱」としても位置付けられています。本計画は、先人から受け継いだ豊かな歴史・文化や高度な技術力を持つ産業、高等教育機関の集積といった本県独自の財産を活かしつつ、Society 5.0時代の到来やポストコロナの「ニューノーマル」への移行といった急激な社会変化に対応することを目指しています。

 

以下に、本計画の要旨を「良いところ(強み・成果)」と「課題点」に整理して詳しくまとめます。

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1.計画の基本理念と目指す姿

本計画の基本理念は「未来を拓く 心豊かな人づくり」です。一人一人の個性や適性に応じたきめ細かな教育を推進し、基礎的な知識・技能の習得はもちろん、自ら学び課題を解決する力、そして他者と高め合いながら新たな価値を創造する力を育むことを目的としています。また、目指すべき人間像として「ふるさとに誇りを持ち、広い視野に立って社会に貢献する人間」を掲げ、地域の伝統を大切にしながらグローバルに活躍できる人材の育成を強調しています。

この理念を実現するため、以下の「8つの基本目標」が設定されています。

 

1. いしかわに誇りと愛着を持ち、世界と地域に貢献する人材の育成

2. 学力を高め、社会の変化に対応できる資質・能力の育成

3. 豊かな心と健やかな体を備えたしなやかでたくましい人づくりの推進

4. 信頼される質の高い学校づくりの推進

5. 高等教育機関の集積を活かした「学都石川」の魅力向上の推進

6. 社会全体で家庭や地域の教育力の向上を推進

7. 生涯にわたり学び続ける環境づくりの推進

8. ライフステージに応じたスポーツ活動の充実

 

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2.石川県教育の「良いところ」(強みと成果)

石川県には、長年の着実な取組によって築かれた全国トップクラスの教育基盤と、独自の先進的な支援体制があります。

 

• 全国上位を維持する「確かな学力」: 「いしかわ学びの指針12か条」や、より進化した「学びの12か条+(プラス)」に基づき、小中学校においてきめ細かな学力向上対策を行ってきました。その結果、全国学力・学習状況調査において、基礎的・基本的な知識・技能は概ね良好であり、活用する力についても近年伸びが見られるなど、全国上位の平均正答率を維持している点は大きな強みです。

 

• 「学都石川」としての高等教育リソース: 本県は人口当たりの高等教育機関数が全国第2位、学生数は全国第3位を誇る「学都」です。この強みを活かし、大学コンソーシアム石川を通じた多彩な学びの機会の提供や、グローバル人材の育成、学生の地元定着の促進など、高度な知の集積を地域活性化に直結させる仕組みが整っています。

 

• 先進的な科学・イノベーション教育: スーパーサイエンスハイスクール(SSH)や県独自の「いしかわニュースーパーハイスクール(NSH)」により、大学の教授による講義やICTを活用した遠隔授業など、最先端の知識に触れる機会を提供しています。また「石川県中学生サイエンスチャレンジ」などを通じ、科学的な思考力を競い合う場が定着しています。

 

• 独自の教員養成・研修体制: 「いしかわ師範塾」を拠点とした実践的な指導力の育成が挙げられます。教員を目指す大学生や講師を対象としたプレステージ研修など、即戦力となる優秀な人材を確保し、ベテランの指導力を次世代へ継承する仕組みを独自に構築しています。

 

• 豊かな文化資源と体験学習の充実: 日本海側初の国立美術館である「国立工芸館」の開館や、「いしかわ学校版環境ISO」の推進など、本県ならではの質の高い文化・芸術、豊かな里山里海を教材とした「ふるさと教育」が盛んです。これにより、児童生徒の約8割が「地域の行事に参加している」と回答するなど、高い郷土愛が育まれています。

 

• 上昇傾向にある児童生徒の体力: 体力・運動能力調査において、長年の体力向上の取組により数値が上昇傾向にあり、全国比較でも良好な結果を示しています。

 

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3.石川県教育の「課題点」

一方で、社会情勢の変化や構造的な問題により、解決すべき深刻な課題も顕在化しています。

 

• 教職員の多忙化と担い手不足: いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間を超える時間外勤務を行う教職員が多数存在することが明らかになっています。この多忙化は、教職員の心身の健康を損なうだけでなく、教職員を志望する優秀な人材の確保を困難にする(倍率低下)という悪循環を招いており、喫緊の課題となっています。

 

• 急激な世代交代と指導力継承の不安: 教員の大量退職・大量採用により急激な若返りが進んでおり、ベテランの持つ指導技術や経験をいかに確実に継承するか、また若手教員の専門性をいかに早期に向上させるかが問われています。

 

• いじめ・不登校の深刻化: いじめの認知件数は高止まりしており、不登校児童生徒数も全国と同様に平成25年度から増加傾向にあります。特にいじめについては、教員個人の力量だけでなく、専門スタッフや外部人材を活用した「チーム学校」による組織的な対応力を高めることが強く求められています。

 

• 学力定着の「ばらつき」: 県全体の平均は高いものの、学校間や地域間、あるいは年度によって児童生徒の学力定着状況に差が見られることが指摘されています。どの地域にいても質の高い教育を受けられるよう、組織的な学力向上対策が必要です。

 

• ICT活用の質の向上と日常化: GIGAスクール構想による1人1台端末の整備は完了しましたが、それを「個別最適な学び」や「協働的な学び」へといかに昇華させるかという「活用の質」が今後の焦点です。また、理科の勉強が好きだと回答する中学生が低下傾向にあるなど、理数分野への興味・関心の裾野拡大も課題です。

 

• 多様化する教育的ニーズへの対応: 日本語指導が必要な外国人児童生徒の増加や、特別な教育的支援を必要とする児童生徒の増加に対し、より専門性の高いサポート体制の構築や、インクルーシブ教育システムの推進が必要です。

 

• 生活習慣の乱れ: 朝食の欠食や睡眠不足など、基本的な生活習慣の乱れが学習意欲や体力の低下の要因の一つとして指摘されており、家庭教育への支援強化が求められています。

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4.今後の方向性:挑戦を支える土壌の再生

本計画では、これらの課題に対し、「GIGAスクール構想の実現による学びの質の向上」と「教職員の多忙化改善」を最重要施策として掲げています。学校現場の情熱に頼るだけでなく、ICTによる効率化と「チーム学校」による組織力強化を両輪として、子供たちが激動のSociety 5.0時代を主体的に切り拓いていけるよう、社会全体で支援する体制を強化するとしています。

 

参照:石川県教育振興基本計画

 

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