千葉市は、令和5(2023)年度から令和14(2032)年度までの10年間を期間とする「第3次千葉市学校教育推進計画」及び「第6次千葉市生涯学習推進計画」を策定しました。この計画は「人間尊重の教育」を基調とし、目指すべき子どもの姿として「夢と思いやりの心を持ち、未来を拓く子ども」を、教育目標として「自ら考え、自ら学び、自ら行動できる力をはぐくむ」を掲げています。
以下に、本計画の要旨、および千葉市の教育における「良いところ」と「課題点」をまとめます。
1. 計画の要旨(体系と柱)
本計画は、教育目標の達成に向けた6つの柱で構成されています。
• 児童生徒の資質・能力の育成: 「確かな学力の育成」「豊かな心の育成」「健やかな体の育成」の3つの柱を通じ、知・徳・体をバランスよく育みます。
• 教育環境の整備: 育成を支える両輪として「質の高い教職員」と「魅力ある教育環境」を整備し、家庭・地域との連携を基盤とします。
• 個別の支援: 誰一人取り残さない教育の実現のため「個別の支援が必要な児童生徒へのサポート」を独立した柱としています。
生涯学習計画では、学びの成果を地域に還元する循環サイクルの構築を目指しています。
2. 千葉市教育の「良いところ」(強みと成果)
これまでの取組の結果、全国平均を維持または上回る成果や、本市独自の先進的な体制が評価されています。
• 安定した学力と高い社会性: 全国学力・学習状況調査において、概ね全国平均と同程度か上回る結果を維持しています。また、「人の役に立ちたい」「地域社会をよくするために何をすべきか考える」と回答する児童生徒の割合は増加傾向にあり、社会参画意識が育まれています。
• 特別支援教育の充実: 小・中学校の特別支援学級における「個別の教育支援計画」の作成率は98.3%に達し、大幅に増加しました。
• 本市ならではのきめ細かな教育体制: 国に先駆けて小学校1年生から5年生まで35人学級を実施しているほか、一部教科担任制や、自校方式の学校給食を活用した食育など、独自の特色ある取組を展開しています。
• 健やかな体: 体力、運動習慣、朝食喫食率などの健康指標は、全国平均や県平均と比較して総じて良好な状況です。
3. 千葉市教育の「課題点」
社会情勢の変化や子どもたちの内面的な変化に伴い、克服すべき課題も明確になっています。
• 夢や意欲の減少: 「将来の夢や目標を持っている」児童生徒の割合が減少傾向にあり、特に中学3年生は全国平均を下回っています。また、小3・小5では「勉強が好き」という回答が減少しており、学ぶ意欲の向上が課題です。
• 不登校といじめの深刻化: 不登校児童生徒の割合は増加傾向にあり、その改善は喫緊の課題です。また、過去の自死事案を重く受け止め、いじめの未然防止や組織的な対応を一層徹底する必要があります。
• ICT利活用の遅れ: 1人1台端末(ギガタブ)の整備は完了したものの、意見交換や調べ学習への活用頻度は全国平均より低く、効果的な授業での利活用を推進する必要があります。
• 教職員の負担と環境整備: 教職員の多忙化が深刻であり、働き方改革が急務です。また、保護者や教職員から「行政による教育環境の整備」への評価が相対的に低く、施設改修を含む基盤整備の充実が求められています。
• 人間関係形成の不安: 本市の子どもたちは「他者と関わることが苦手」という印象が強い傾向にあり、コミュニケーション能力の育成が重要な課題に挙げられています。
4. 今後の展開
千葉市では、これらの課題に対し、デジタル技術を活用した「個別最適な学び」と、地域・専門機関と連携した「チーム学校」による支援を強化します。予測困難なSociety 5.0時代において、子どもたちが自らの人生を主体的に切り拓き、多様な他者と協働して新たな価値を創造できる力の育成を目指していきます。
参照:千葉市教育振興基本計画
教採の相談は、教採塾へ!
